浜中町の歴史を知るならここ!ということで、今回は浜中町総合文化センター(以下:「文化センター」)内にある「郷土資料室」をご紹介。
こちらが霧多布地区、浜中町役場前にあるのが文化センターです。
浜中町は「ルパン三世」の作者であるモンキーパンチ先生の故郷、ということで外の窓にも「ルパン三世」のキャラクターたちがデザインされています。
また、エントランスホールには「ルパン三世」の漫画の原稿など、貴重な資料が展示してありますよ。
そして、さらに奥に進むとみえてくるのが、「郷土資料展示室」です。
ここ、郷土展示資料室は、約30年前総合文化センターが建設された時に、浜中町の開拓〜現在に至る歴史を保存、展示する目的で設営されました。普段は自由解放されていませんが、展示室を見学したい時は、入り口の窓口にて受付ているとのことです。
入ると、「タンチョウ」のオブジェクトがお出迎え。浜中町でも最近は様々なところでタンチョウを見かけることができますが、遠くからしか見ることが多いので、オブジェクトで大きさを体感するとびっくり。意外と大きいのです。
タンチョウは、国の天然記念物にも指定されており、道東でしか見ることのできない、日本の生息する野鳥の中でも最大級と言われる大きさをもつ鳥と言われております。「タンチョウ」は、感じだと「丹頂」と表記しますが、「丹」は「赤」という意味、「頂」はてっぺんという意味で、タンチョウの頭をよく見ると、てっぺんが一部赤くなっていることから、この名前がつけられたと言います。
最初は、縄文時代から。実は、ここ浜中町では旧石器時代の資料が発見されていません。おそらく、海岸が当時はもっと後退していたため、現在見つけようと思うと海の中を探さなければならないという。なので、浜中町の歴史は縄文時代以降から展示されています。
縄文時代から、自然と共生する生活を営み、食料調達の方法としては狩猟採集が主な手段でした。ここにも、当時使われていたであろう土器が展示されていますが、これらの土器は琵琶瀬展望台付近、そして散布小学校裏あたりから出土したものだと言います。
そして北海道の歴史で欠かせないのが、「アイヌ文化」。
アイヌ文化時代は、寛政蝦夷騒動(1789年頃)までを言います。浜中町には、有力な人物はいなかったと言われていて、アイヌ文化が栄えていた頃には、特に大きな闘争もなかったとのこと。アイヌ文化時代の食料とされていたエゾジカの骨や木炭、マレック(鈎銛)の鉄片などが展示されています。
そして、松前藩成立以前の霧多布から、浜中町に「キリタップ」が誕生した歴史について。松前藩による支配が開始され、この頃から松前藩への抵抗として紛争が続くようになります。
壇上にいるのが倭人、手前と右手に大勢いるのがアイヌの人々です。上下関係がはっきりしていたことがわかりますね。顔の描き方も全く異なるのがとても興味深いです。
そして、アイヌの文化の歴史に加え、浜中の漁業・農業・商業の歴史もここで知ることができます。
そして、何と言っても面白いのは捕鯨の歴史。明治から大正にかけては中心産業としてニシン漁が盛んでしたが、次第に不漁が続くようになりました。そしてニシン漁に変わって始まったのが捕鯨でした。1925年に近隣地域との競争に勝って誘致した捕鯨会社によって景気が回復、関連産業も発展し、浜中全体の振興に寄与しました。
漁に関する、様々な道具がみれたり。
そして、昔の暮らしを再現したものを体感することもできます。
奥の方にあるタンス、がっちり金具で固定されているのがわかります。こちら「舟箪笥(ふなだんす)」と言うそうで、舟に乗せて物を運ぶ際に、壊れないよう、このように頑丈な作りにされていたと言います。北前船ではよくこの箪笥を見ることができたそうです。
そして、農業・商業に関係する様々な道具も展示されています。
当時、店舗で使われていたレジスターもあったり。
そして、浜中町の歴史でもう一つ外せないのが、「津波」の歴史です。
浜中町は過去に何度も津波の被害を受けており、その被害を受けた証拠でもある地層は、湿原センターでも実物を見ることができます。
1952年の十勝沖地震、1960年のチリ沖大地震では大きな被害を受け、漁船や家屋などが破壊されるなどし、当時の津波被害の写真などを眺めることができます。
詳しい浜中町の歴史は、こちらの「浜中町史」でも知ることができます。こちらは、役場での購入が可能で、町民価格と一般価格がありますので、気をつけてくださいね。
実は、アイヌ文化も捕鯨文化も盛んだったこの浜中町。そして、津波によって何度も被害を受けながらも発展してきた浜中町の歴史。
浜中町にきた人は是非郷土資料展示室に足を運んで、知れば知るほどハマってしまう、この魅力にどっぷりと浸ってみてくださいね。
「浜中町役場 浜中町総合文化センター」
〒088ー1553
北海道厚岸郡浜中町霧多布西三条1丁目47
電話番号:0153ー62ー3131
<アクセス>
茶内駅から車で約15分
厚岸から車で約45分
くしろバス「役場前」徒歩1分