<霧多布の海の魅力を発信し続ける漁師×カヌーガイド>渡部貴士さん

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今回は、浜中町霧多布で昆布漁師をされながら、浜中町の海産物が美味しい”秘訣”を、霧多布湿原の魅力と共に教えてくれる”ナベタカ”こと渡部貴士さんをご紹介。

【町を活気づけるため、漁師を決意】

浜中町出身の渡部さんは霧多布中学を卒業し、釧路高専へ進学。

小さいときから家族の漁業を手伝わされていたため、

「こんな大変な仕事、継いだら将来の自分の家族に迷惑をかけてしまう。」

そう考えていた渡部さんは、漁師を継ぐつもりは全くなく、高校を卒業してから20代の頃はスノーボードをしにトマムに住み込んだり、札幌のサーフボードショップで働いたり、バックパッカーでアメリカを横断したりと、自由に旅をする生活を送っていらっしゃいました。しかし、渡部さんが37歳の時、お母様が体調を崩れたことをきっかけに浜中町に帰省します。今までスノーボードやサーフィンといった自然を相手にしたスポーツを楽しんできたものの、

浜中町の“大自然“を改めて感じた時、

「やっぱり、一番、浜中が俺にとって心地いいのかもしれない」

そう、ふと思った渡部さんは浜中町にUターン。漁師を継ぐことを決意されたそうです。

しかし、同時にそこで感じたことは

「昔の活気を失った浜中町、疲弊してないか・・・・?」

札幌にいた時にも、「浜中産」と表示された食材を見ていない。

渡部さんが漁であげている「ホッキ貝」は、浜中町霧多布の特産品の一つです。しかし、流通するホッキ貝は「浜中産」ではなく加工している別地域の名前が表記されていることに違和感を感じます。

霧多布産のホッキ貝がうまいのだ、と伝えたい。」

そう決心し、漁師をしながら自らホッキ貝の魅力を伝えることを決心したそうです。


【もがきながらも走り続ける日々】

「どうしたら霧多布のホッキ貝の美味しさが外の人に伝わるのだろうか。」

浜中町は、少子化の影響で廃校になってしまう小学校も多く、使われていない施設が町に点々と存在しています。

そうした施設を活用して渡部さんはイベントを企画。どうせやるなら、と浜中の周囲の人々に協力を求めに回りました。しかし、どこに駆け寄っても

「一旦浜中を出た人間が何をやろうとしているんだ」

と、なかなか気持ちを理解してもらえない日々が続いたそう。

しかし、渡部さんはくじけませんでした。

一回浜中を出たからこそ、浜中の魅力を中からの目線、そして外からの目線、どちらからも捉えられることが強みだと信じ、自らの信念を持ってまずはやってみよう、とイベントを開催したのでした。それが、

「春はあげもの」です。

高級食材とされているホッキ貝は、一般の家庭では、お寿司や刺身といった形で食べられるそう。

しかし、渡部さんの家では昔から揚げて“ホッキフライ”にするのが主流だったようで、「揚げ物にするなんて勿体無い」という声も多くあったものの、どうしても忘れられない、昔懐かしいホッキフライの美味さを是非体験して欲しいと、バックパッカー中によく食べていた、「フィッシュアンドチップス」のようにしたいと、これまた浜中の特産品のひとつである昆布もチップスにして販売。

廃校を利用したイベントだったため、どうせなら学校の科目に合わせて出店者を探したら面白いのでは、と

「保健」「体育」「家庭科」といった科目ごとにコンテンツを用意。釧路やその周辺地域の方からも、渡部さんの応援をしたいと、クラフトショップをされている方や、セラピストさん、星読みができる方まで、個性豊かな協力者が集まり、回数を重ねるごとにイベントは大きくなっていきました。


【まだまだ終わらない“ナベタカ”さんの浜中を盛り上げたい熱い思い】

「春はあげもの」を通じて町外の人に霧多布産ホッキ貝の魅力を伝えることに奮闘中の渡部さん。

しかし、あることに気づきます。

当時、「NPO法人シマフクロウエイド」にも所属していた渡部さんは、シマフクロウの保護活動をしながら浜中の自然に触れ、ホッキ貝が美味しいのは、この豊かな自然の恩恵なのだと感じたそうです。

混合林の落ち葉たちが微生物によって分解され、それが栄養となり川に流れて。湿原から海へとミネラルが供給される。 ホッキ貝の味覚的な魅力だけではなく、霧多布の大自然故の”なぜ、霧多布のホッキ貝は美味しいのか”を伝えるべく、始めたのがカヌーでのガイド業でした。

渡部さんのカヌーは、夕暮れ時のサンセットカヌーがメインです。浜中町で観れる壮大な夕日が水面に反射し、

水面と空の区別がつかなくなるほど、美しい水面鏡がみれる渡部さんのサンセットカヌー。

渡部さんのカヌーは、”漕ぐこと”を主においていないため、渡部さんお手製の、その場で挽いたコーヒーを飲みながらゆっくりと水面を進み、鳥の鳴き声や、風の音を感じ、浜中の魅力を五感で感じることができます。


【内と外、両方の視点を持つこと】

「『町の人たちにうまく協力してもらえるような体制を作れたらよかった』

『どんどんやりたいことが出てくるから、もっと若いうちに始めればよかった』

と、今でも後悔することは多くある。

けれど、一回外に出たからこそ感じられる浜中の魅力もあり

今、自分の気持ちと時間に余裕があるらこそ

やりたい、と心から思えることがある。」

若者は一度地元を離れた方がいいと、渡部さんは仰います。

20代、大学に進学するかしないかくらいの年齢層がズボッと抜けてしまうことが地方の問題点だとされがちですが、

むしろ、一度外に出るからこそ、地元愛を感じたり、地元の良さを再発見することができる。

それに加えて、ある程度住民とのつながりもあり、顔も知られている。町の事情もよく知っている。そんな“外“と”内“の両方の視点を持てば、斬新なアイデアを持って地域に新たな風を吹かせることができるのではないでしょうか。

「地元を離れている人たちが、ぜひ浜中に遊びにきて!と言えるような町にしたい」

そんな思いで、今後も渡部さんは浜中町の人々だけでなく町外の様々な面白い人を巻き込みながら 浜中町の魅力を外に発信し続け、町を盛り上げてくれること、間違いなしです!


「風と土のナベタカ」Facebook:https://www.facebook.com/navetacaa/

霧多布エコツアーズNAVI:http://www.kiritappu-navi.net/04_member.html

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