<浜中町の“玄関前“『PORCH』>
浜中町の見どころは何と言ってもラムサール条約にも登録されている「霧多布湿原」。その湿原を部屋から一望でき、町内外の“浜中ファン“が多く集まる宿があります。それが、オーナーである瓜田勝也(うりたかつや)さんが営まれる「ペンション PORCH」です。
「PORCH(ポーチ)」とは、玄関先にある屋根付きの部分の名前のことで、瓜田さんは「霧多布の玄関前」という意味を込めて、宿にこの名前をつけられました。
宿を建てたのは1986年、2016年に30周年を迎え、今年(2018年)で32年目。
<人生を変えた一つの出会い>
瓜田さんは、ここ浜中町出身。昆布漁師のご両親の元で生まれ育ちました。浜中町に唯一現存する高校、「霧多布高校」を卒業し、東京への憧れと様々夢を抱き、卒業後は都内への移住を考えていました。
しかし、ある人との出会いによって、瓜田さんの人生は一変します。
“ある人“とは当時浜中町に魅力を感じ、東京から浜中町に移住して喫茶店を開店させた、とあるお兄さん。
生まれてからずっと霧多布湿原を目にしてきた瓜田さんは、霧多布湿原の魅力にまだ気づいていませんでした。とはいえ、今も町外から来る人を魅了し続ける「霧多布湿原」の存在。
お兄さんのお店に通いながら、「霧多布湿原」の魅力を説かれ、瓜田さんは
「この湿原を次世代に残したい。魅力を自らの手で発信していきたい。」
と決心。そして開かれたペンションが「PORCH」だったのです。
ただ、瓜田さんと同じように霧多布湿原の存在が“当たり前“であった地元の人々。
なかなか瓜田さんの活動を受け入れてもらうことができず、苦しい日々が続きます。けれど、
「霧多布湿原のファンを増やしたい。」
ただその一心で、この30年間、ペンション「PORCH」を拠点に浜中町の魅力を発信し続けてきました。
その”お兄さん”のお店では、いつも様々な業種の人が集い、たわいもない会話から、それぞれの夢を語ったりと、とても活気溢れる場所として賑わっていました。そんなことを思い出し、異業種間での「交流」がとても重要だと語る瓜田さん。
30年以上、霧多布で観光を担ってきた瓜田さんの言葉にはとても説得力があります。ただ、外に浜中町の発信するだけではなく、町内での意見交換や、同じ共通理念を持って町を動かしていくこと、観光だけではない視点で常に浜中町のことを考え続ける瓜田さんは、次世代へもこの”まちづくり”を繋げるべく、日々世代関係なく町内外の人の意見を取り入れながら、発信し続け、その姿は様々な人を惹きつけるものがあります。
(スライドショーを使って浜中町の歴史や魅力を紹介する瓜田さん)
ツアーの参加者、宿泊者は瓜田さんのユーモア溢れるトークと共に、スライドショーを通して浜中町の歴史や魅力を知ることができます。
中でも、かつて昆布漁で利用されていた馬の映像はとても興味深いものがあります。瓜田さんが現役で漁をされていた頃の写真も見れちゃいますよ。
<様々な視点から「霧多布湿原」の魅力を伝え続ける日々>
さらに、瓜田さんは浜中町にある無人島「ケンボッキ島」への船を使った案内ツアーや、カヌーで湿原の中を散策するガイドツアーも運営し、様々な視点から浜中町の面白さ、魅力を体感させてくれます。
(霧多布湿原の中でカヌーガイドをする瓜田さん(撮影日:11月上旬))
瓜田さんのカヌーは、カヌーを漕ぐ楽しみがあるのはもちろんのこと、霧多布湿原の魅力を存分に教えてくれます。霧多布湿原をメインに浜中町の自然がどのように成り立っているのか、季節ごとの湿原の魅力などをユーモア溢れる瓜田さんのトークで解説してくれます。
(「ケンボッキ島」(撮影日:10月中旬))
ケンボッキ島は、かつては陸と繋がっていたとのこと。けれど、昆布漁を行うために、砂をどけてしまって孤島になったとのことです。
さらに、ケンボッキ島にはかつて住んでいた人もいるとか。その廃屋もまだ見ることができます。
そして、かの有名なムツゴロウこと畑正憲さんも住んでいたとか。様々な面白いエピソードに溢れたケンボッキ島ツアー、瓜田さんの奥様の美味しいおにぎりが食べれるのも魅力ポイントの一つ。浜中町に遊びに来た人には是非一度体験してほしいツアーです。
(「ケンボッキ」島を案内する瓜田さん(撮影日:9月中旬))
現在、浜中町でケンボッキ島へ案内してくれるガイドは瓜田さんだけ。
4月〜10月の期間限定ではありますが、修学旅行生や一般のツアー客含め、大人気のツアーです。
<五感をフルにして霧多布を楽しむ「PORCH」>
そしてペンション「PORCH」といえば、メニューが毎日変わるこの豪華な手料理。
瓜田さんの奥様の手作りによる浜中町の山と海の食材をふんだんに使ったあたたかい料理で夜は楽しませてくれます。
「PORCH」の一番の魅力といえば、やはりこの“交流”ではないでしょうか。
宿泊者の居心地を第一に考えてくれていることが伝わる瓜田さんご夫妻の丁寧なおもてなし。適度な距離感をもって、初対面であっても親しみを持って会話を盛り上げてくれる瓜田さんのトーク。宿泊者だけでなく、浜中町の人を呼んで様々な人と会話を楽しませてくれる心温まる時間。浜中町に”帰って来た”とほっとさせる空間がここにはあります。
お酒好きな瓜田さん、盛り上がればトークは24時まで続くことも。(笑)
この浜中町で過ごす、朝から夜までの全ての時間をコーディネートしてくれるのが瓜田さんご夫妻です。そのおもてなし精神は浜中町一と言っても過言ではありません。
常に素敵な笑顔を忘れず、ユーモア溢れる会話で盛り上げつつも、まちづくりの話になると真剣な表情になる瓜田さんの人柄からは、溢れる地元愛を感じます。
“自分が生まれ育った地域“とはいえ“外からの目線“を忘れない瓜田さんは、常にお客様第一の精神で充実した時間を過ごさせてくれること、間違いなしです。
浜中町に来た人は一泊は是非泊まってほしいこの宿。“泊まるだけ”の概念を超えた宿泊を体感してください。
<予約情報>
「ケンボッキ島案内ツアー」:https://www.asoview.com/item/activity/pln3000022084/
「霧多布湿原カヌーガイドツアー」:https://www.asoview.com/item/activity/pln3000022082/
ペンション「PORCH」公式HP:http://porch.sakura.ne.jp/
霧多布エコツアーズNAVI:http://www.kiritappu-navi.net/04_member.html
【住所】088ー1531 北海道厚岸郡浜中町仲の浜122番地
【電話番号】TEL:0153ー62ー2772 FAX:020ー4664ー2082